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中川士竜先生

私の師である中川士竜先生は、姫路の高橋赳太郎先生に師事し、剣道の修行の傍ら古伝の無外流剣術と居合(自鏡流)を学んだ。中川先生は、高橋先生の教えに加えて、自鏡流の源流である田宮流との関わりも研究し、無外流居合兵道として居合術を表技とする技術体系を確立したのである。中川先生は、居合形として表之形20本と内伝3本、剣術形として太刀打之形、脇差之形を制定した。私は、高橋先生が残した形とともに、中川先生が編纂した形をすべて学んだ。当時は、戦後武道復興の兆しが現れた頃で、居合道についても古流といわれる流派が団結し、組織的な普及を開始した頃である。無外流中川士竜先生、英信流河野百練先生らが中心となり、日本居合道連盟が結成され、古流居合道の振興が図られた。このころに各流の技術交流や形の精選が行われている。

私は、当時の各流の先生方との関わりの中で、居合道を広く理解することができたことを光栄に思っている。もともと私は、神道夢想流杖道の中嶋浅吉先生の縁で無双直伝英信流の居合を学ぶに至り、その大家である石井悟月先生に師事した。石井先生は無外流でも中川先生に師事しており、私はその縁で中川先生にも直接無外流をご指導頂く機会を得たのである。その後、石井先生が中川先生より無外流を継承することとなり、私も無外流に専念することとなった。幸いにして中川先生より私の実力は高い評価を頂くことができ、後事を託されるまでになった。そして両先生がご他界されたあとは私が無外流居合兵道を後継することとなり、現在に至っている。